藤井聡太七段が、第12回朝日杯将棋トーナメントの決勝で、渡辺明棋王を破って優勝しました。
昨年の同大会の優勝に続き2連覇です。
渡辺棋王は、藤井戦に備えて、前日からイメージトレーニングをしてきたと語っていました。
それまで、34勝8敗と絶好調の渡辺棋王が、ガチに勝ちに行ったという事ですね。
にもかかわらず、藤井七段は渡辺棋王を破っただけでなく、その勝ち方が渡辺棋王を圧倒していました。
以下、渡辺棋王のブログから
図の△34歩に対して▲75銀と打つのが唯一のチャンスでしたが、全く気が付きませんでした。
なので藤井七段は「図の1手前の△34歩では△75銀だった」という二回り上の反省をしていて、
(こっちは▲75銀に気が付いてないので△34歩が疑問手なんて夢にも思わない)
大盤解説で佐藤名人と二人掛かりでも先手が良くならなかったですね。
藤井七段は感想戦で、「自分が打った△34歩は、疑問手で▲75銀で応じるのが妙手」と指摘し、「△34歩では、△75銀が正解だった」と反省していたんですね。
これが先手が唯一のチャンスでした。
渡辺棋王は、次のように語っています。
先手番で角換わりを拒否してまで作戦を主張して、相手の対策が十分ではない状況なら少なくとも「指し易い~やや有利」くらいにはなることが多いんですが(それが先手番の有利性でもある)
それを互角で乗り切られて、図の▲75銀しかチャンスが無い、なおかつこっちは全く気が付かないのに相手は全部読んでるってことがあるのかな、と(笑)・・・
序盤も理解度が深いし、弱点が見当たらないんですが、たまには負けたり苦戦する将棋もあるはずなので、次回までにそれを研究したいと思います。
今後ますます、多くの棋士が藤井対策を研究してくるでしょう。
藤井七段は、負け将棋が少ないうえに、負けた後、進化してさらに強くなっているように見えます。
これからも、藤井七段の対局がますます楽しみになります。
棋士が語る藤井聡太の凄さ