2008年に強毒性のH5N1型鳥インフルエンザが人型変異して、それがもとで世界的な大流行(パンデミック)が発生するのではないかと大騒ぎになったことが有りました。
そのときに、空間消毒薬として注目されのが二酸化塩素ガスでした。
二酸化塩素の安全性は、水道水の消毒に使われているように経口摂取では確認されています。
しかし、二酸化塩素ガスは、不安定で反応性の高いガスのため、低濃度雰囲気で長時間暴露の場合の安全性の検証は、十分ではありません。
そのため日本では、業界団体の「一般社団法人 日本二酸化塩素工業会」が、空間除菌製品に係る室内濃度指針値(自主基準)を0.01ppmに設定して、安全をはかっています。
二酸化塩素の殺菌、消臭効果は、わかっていても、室内濃度指針値(自主基準)の0.01ppmでどの程度の効果が期待できるのか、はっきりしませんでした。
最近の学会で発表されたデータで、室内濃度指針値での効果が、明らかになりました。
ウィルス除去の効果
二酸化塩素ガス(室内濃度0.01ppm)を放出させた25m3(6畳相当)試験チャンバーに、ウイルスの一種を浮遊させた後攪拌し、180分後に空気中の浮遊ウイルスを捕集し、生存ウイルス数を測定しました。二酸化塩素ガスを放出しない条件(自然減衰、攪拌ファンのみ)で同様に測定した生存ウイルス数を100%とした時のウイルス生存率を求めました。
日本防菌防黴学会 第41回年次大会発表(東京、2014)資料
細菌の除去の効果
二酸化塩素ガス(室内濃度0.01ppm)を放出させた25m3(6畳相当)試験チャンバーに、細菌の一種を浮遊させた後攪拌し、120分後に空気中の浮遊菌を捕集し、生存菌数を測定しました。二酸化塩素ガスを放出しない条件(自然減衰、攪拌ファンのみ)で同様に測定した生存菌数を100%とした時の細菌生存率を求めました。
日本防菌防黴学会 第41回年次大会発表(東京、2014)
引用:大幸薬品㈱ホームページ
高いウィルス除去、殺菌効果は、二酸化塩素の強力な酸化力によります。
ウィルスや細菌のタンパク質を構成するアミノ酸、トリプトファンなどを酸化させ、構造を変えてしまいます。
このために、ウィルス、細菌の機能が落ちてしまうので、インフルエンザ、風邪の予防になると考えられます。