「10人に1人が糖尿病になる時代」、生活習慣病の一つとして網膜症や腎症などの合併症を併発することはよく知られるが、
「糖尿病には“下肢切断”のリスクがある」と「足の診療所」の桑原靖医師警鐘を鳴らている。
足についてのリスクは「糖尿病の合併症の中で、世間であまり知られていません。
視力の低下と腎機能障害は有名なんですが、足の神経障害はほとんど知られていないです。
神経障害になると、画びょうを踏んでも痛みを感じない足になります。
たこができても痛くないし、靴に石ころが入っても痛くないし、とにかくリスクが大きいんです」
「冷え性」から足を切断する“最悪の結末”も
足の痛みを感じなくなることが、具体的にどういったリスクに繋がるのか?
「冬場には、足先の血管が収縮し、指先に血流が行き渡らなくなり冷えを感じる人の中では“重症な動脈硬化”のケースがあります。
日本で足を切断する人は年間2万足と言われていて、下肢切断後の患者のおよそ7割は5年以内に亡くなっています。
これは、肺がんの死亡率に匹敵します。
足の診療所 http://foot-clinic.jp/
治療法は?
従来、治療対象となっていなかったヒザ下の重症虚血性肢疾患ですが、2004年から積極的な治療を行う施設が国内にいくつか登場してきました。
ヒザ下の重症虚血性肢疾患で積極的なインターベンション治療を行うことで、血流が回復、血行が改善して潰瘍や壊疽が治ったという海外の研究論文が発表されたことがきっかけです。
インターベンション治療とは、血管に通したカテーテル(管)を使って、血管の詰まりなどを取り除く治療法のこと。
これまでは、重症虚血性肢疾患には、外科手術でバイパス(新たな血管の道)を作る方法しかありませんでした。
重症虚血性肢疾患にインターベンション治療を行う施設では、「足切断しか手がない」という診断が出ていても、まず、血管造影で血流診断を行います。
インターベンション治療の適応があれば、足の付け根からカテーテルを通し、風船で詰まった血管を拡げます。
その結果、1カ月程度で潰瘍や壊疽を治癒できるという効果があった例もあります。
また、小倉記念病院では2004年初夏から、重症虚血性肢疾患のインターベンション治療に取り組みはじめ、これまでに約50症例を実施。
血流回復で潰瘍や壊疽が治癒するなど、90~95%の成功率をおさめているといいます。
小倉記念病院 ttp://www.kokurakinen.or.jp/